便秘とは
便秘は日常的な不調ではなく、さまざまな疾患の原因になる症状であり、深刻な疾患によって便秘が生じていることもあります。便秘に合併することが最も多い疾患には、切れ痔やいぼ痔があります。便秘は切れ痔やいぼ痔の発症リスクを上げるだけでなく、悪化や慢性化にも大きく影響してデリケートな肛門機能に障害を残し、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を大きく低下させることもあります。
当院では、専門医が便秘の診察を行っており、丁寧な問診と適切な検査を行って原因をしっかり見極めた上で再発予防も含めた治療を行っています。患者様の症状や状態、便秘の原因にきめ細かく合わせた治療を基本に、ライフスタイルを考慮した処方や生活習慣改善の指導を心がけていますので、些細なことでも気軽にご質問ください。
こんなお悩みがあったら消化器内科を受診してください
- 慢性的に便秘が続いている
- 排便後に残便感がある
- 強くいきんでも排便しにくい
- 少量の硬い便しか出ない
- 便秘と下痢を繰り返す
- 市販薬が効かなくなってきた
- お腹が張る、膨満感がある
- 切れ痔やいぼ痔がある
など
毎日排便があっても、スムーズに出せず、すっきりしない場合は便秘です。当院では、消化器内科に加え、肛門内科の診療も行っていますので、便秘に痔を合併している場合も安心してご相談ください。
原因
食物繊維不足などの偏食、食事や抗生物質などによる腸内環境悪化、運動不足、ダイエット、便意の我慢をはじめとした排便習慣の乱れなど、生活習慣が関与して発症するケースと、疾患が関与して発症するケースに分けられます。
疾患が疑われる場合には、大腸カメラ検査が正確な診断に有効です。また、大腸カメラ検査は早期の大腸がんや前がん病変の大腸ポリープの発見ができる唯一の検査であり、特徴のある病変の発見や組織を採取してさまざまな疾患の確定診断ができます。当院では最新の内視鏡システムを使って検査経験豊富な専門医が丁寧な検査を行っており、鎮静剤を使うことで楽に受けていただけるようにしています。
便秘と痔の悪化スパイラル
便秘になると便が硬く太くなって、排便時に切れ痔を発症するリスクが高くなります。また、強いいきみが習慣化することで肛門周囲にうっ血を起こし、いぼ痔の発症リスクも上昇します。痔は再発しやすい傾向があり、便秘と痔を合併すると互いを悪化させながら進行するスパイラルに陥ることがよくあります。便秘と痔が悪化して肛門機能に障害を残したり、排便困難になったりするケースもあります。
逆に、適切な治療によって慢性的な便秘を解消することで痔も治りやすくなり、再発リスクも低下できます。便秘と痔の再発と悪化のスパイラルから抜け出すためにも、受診して適切な治療を受けましょう。
治療
原因疾患がある場合にはその治療を行います。それ以外の場合には、原因によって分かれる便秘タイプ、体質、服用されている薬、ライフスタイルなどにきめ細かく合わせた治療を行って、便秘の解消に導いています。新しい薬も登場していますので、今まで十分な治療効果を得られなかった方もご相談ください。
生活習慣改善
便秘のタイプによって適した食物繊維の種類やとり方が変わってきます。また、便秘の解消には十分な水分摂取も不可欠です。油分の適切な摂取も便通改善には必要です。
運動は、軽い有酸素運動を習慣的に続けることが有効です。早足の散歩など、日常に取り入れやすく、無理なく続けられる運動を心がけてください。当院では患者様にじっくりお話をうかがった上で、ライフスタイルなどに合わせた具体的な改善法をご提案しています。
薬物療法
便秘のタイプ、患者様の生活環境やライフスタイルなどによって適した処方が変わってきます。便の量や軟らかさを調整する薬、蠕動運動などの機能を整える薬などさまざまな薬があり、新しい作用機序を持った薬も登場しています。効果の出方にも個人差がありますので、再診時に患者様と相談しながら処方を微調整しています。服用していて気になることがありましたら、どんなことでも医師にお伝えください。